2人の小学生の子供と理系な夫と暮らしているHIROKOです。

 

家族性地中海熱。

聞いたことありますか?

 

私は息子がそう診断されるまで、一度も耳にしたことがありませんでした。

 

 

ここまでの経過や私の苦悩、

もしも参考になるならと思いお話しさせていただきます。

 

家族性地中海熱とは?

 

定期的な発熱、

それに伴う腹痛や胸痛、関節の腫れなどを起こす遺伝性の病気です。

 

 

この病気は、地中海沿岸地方の人々や中近東に多くみられます。

 

世界では10万人以上の患者が存在すると言われ、

日本にはおよそ500人の患者がいるとされます。

 

 

常染色体劣勢遺伝なので、父親と母親から変異した遺伝子を

ひとつずつ受け継ぐことによって初めて発症します。

 

ただし、遺伝子変異があっても必ず発症するとは限りません。

 

 

同じ遺伝子を持った兄弟姉妹でも、発病したりしなかったりします。

 

症状

 

発熱、腹膜炎、胸膜炎、関節炎などの炎症発作が

2~6週間の間隔で定期的に発症します。

 

・発熱

38℃以上の急激な発熱が12~72時間続きます。

抗生剤、解熱剤では解熱しません。

 

 

・腹膜炎

腹部全体や部分的、激しい痛みから鈍痛まで、症状は様々です。

 

人によっても違いますし、毎回症状の出方が違うこともあります。

 

ロキソニンなどの痛み止めが有効とされています。

 

 

・胸膜炎

胸部から背中に抜けるような痛みを伴うことが多いですが、

症状も程度も様々です。

 

痛みの他には息苦しさや咳が現れます。

 

 

・関節炎

足首や膝、股関節と大半は下肢に現れやすい傾向があります。

 

症状は、腫れ、痛み、熱間ですが、間接内に水が溜まることもあります。

 

原因

 

MEFV遺伝子の異常が関連しています。

 

この遺伝子は炎症を抑えるたんぱく質を作る働きがあり、

その遺伝子が異変を起こすことで、

適切に炎症を抑えることができなくなるのが原因とされています。

 

~体験談~ 最近気になっていたことを聞いてみたら…

 

それは、かかりつけの小児科で私が何気なく言った一言から始まりました。

 

 

2015年、7月の暑い日でした。

11歳の息子が夏風邪をひいたようで、幼い頃から通っている小児科に行きました。

 

一通りの診察の後、先生は「喉も赤いし風邪だね。」とおっしゃいました。

 

その時私が、近頃ちょっと気になっていたことを話したのです。

 

 

「5年生になって、4月、5月、6月と、毎月発熱しているんです。」

 

先生はびっくりして、

 

「病院に来てないよね?」

とお聞きになるので

 

「毎回夕方頃から発熱して、一晩寝ると朝にはすっかり下がるんです。

他に症状もないし、朝にはケロッとしてるのであまり気にしてなかったんです。」

 

と答えました。

 

 

息子は幼稚園に入るとよく熱を出していました。

 

熱が長引いたり、他にも風邪症状があると小児科へ連れていったのですが、

いつも風邪と診断されていました。

 

しかし、我が家ではのちに「謎熱」と呼ぶことになるのですが、

夕方頃から発熱して一晩で下がる熱を出すことも度々ありました。

 

 

症状は熱だけ。

風邪とも違う。

 

朝起きると元気で、幼稚園に行っても熱がぶり返すこともない。

 

 

知り合いや友達に聞くと、「男の子は熱を出しやすい」とか

「疲れが溜まって熱が出るんだよ。」と言われ、納得していたものです。

 

 

 

しかしそんな「謎熱」も、小学校へ上がるとめったに出なくなりました。

 

出ても1年に1、2回です。

体力がついてきたんだな、と思っていました。

 

 

ところが、5年生になると月に1回必ず発熱を繰り返すようになりました。

 

タイミングよく夜に熱が出ればいいのですが、

朝から熱が出て夜中に下がることもあり、

そうすると学校を休まなくてはいけません。

 

周期性発熱症候群の疑い

 

先生は

 

「周期性発熱症候群かもしれない。詳しい先生が市民病院にいるから。」

と紹介状を書いてくださいました。

 

 

「周期性発熱症候群とは、定期的に発熱を繰り返す疾患で、

5歳以下に発症し、多くは成長とともに4~8年で自然寛解するんです。

 

 

息子さんがこの歳になって、また発症しだしたのが不思議だけど、

稀に成人での発症や思春期を過ぎても寛解しない症例もあるからね。」

 

と、先生は説明してくださいました。

 

 

後日、学校を半休して息子と市民病院へ行きました。

 

市民病院では血液検査と先生の問診が主でした。

 

発熱している時間、

口内炎ができやすいか、

 

周期性発熱症候群の症状と照らし合わせて、先生は詳しくお聞きになります。

 

大学病院の紹介状

 

「もしかして、家族性地中海熱の可能性があります。

普通、発熱症候群は5日ほど高熱が続くのが特徴です。

 

でも息子さんは12時間ほどで熱が下がっています。

地中海熱の特徴は、発熱期間が短いことです。

 

地中海熱についてはまだ研究の段階で、詳しい先生があまりいません。

大学病院の紹介状を書きますね。」

 

まさか大学病院へ行くことになるなんて。

こんなに大袈裟な方向へ転がるとは、思ってもいませんでした。

 

 

数日後の夕方、息子は発熱しました。

朝には熱は下がっていましたが、

このタイミングで連れていくのが良いと思い、大学病院に向かいました。

 

 

また血液検査と先生の問診です。

 

「今朝熱が下がったばかりということで、血液検査のしがいがありましたよ。

ただの風邪だとして、しかも他に症状がないのに

炎症反応がこんなに高くなるはずありません。

 

正常値が0,3以下なのに、9と出てますから非常に高いです。

 

地中海熱は、発熱時に炎症反応がかなり高くなるのが特徴です。

 

 

実は、ここの大学病院の小児科は周期性の発熱疾患にはあまり強くなくて、

僕も正直言うと詳しくないんです。

 

毎月第4金曜日に、小児リュウマチ専門の先生が他の大学病院から来ますから、

一度その先生に診てもらって欲しいのです。

 

リウマチも炎症性の疾患ということで、僕より頼りになると思います。」

 

先生から先生へとバトンタッチの連続

 

 

これは長くなりそうだな…。

 

 

主人は、命にかかわるような病気ではないとわかると、

意外にもあっさりとしていました。

 

私としては一緒に悩んで欲しいという思いもありましたが、

確かに一刻を争う病気じゃなかっただけ、

良かったのかもしれないと思えたりもするのでした。

 

 

7月の第4週目の金曜日、私たちはリベンジしました。

 

先生は私より少し年上だろうと思われる、

ふっくらとした優しい喋り方をする人でした。

 

 

「ここまで大変でしたね。お子さんはまだ地中海熱と決まったわけではありません。

地中海熱に伴う激しい腹痛や胸痛も出ないようですし。

 

ただ、その可能性も捨てきれないです。

 

この先、地中海熱の発作を抑えるコルヒチンという薬を毎日飲んで、

その効き目を検証することと、遺伝子検査をしてもらいたいと思います。

 

しかし遺伝子検査が必須といっても確実に結果がわかる訳ではありません。

 

地中海熱と言っても、30%の人には遺伝子の異常が見つからないと言います。

あくまでも診断の補助であり、

コルヒチンの効き具合などを総合して診断を下すことになります。

 

コルヒチンには副作用が出やすい点があります。

 

腹痛や下痢、吐き気といった胃腸炎に似た症状の副作用です。

 

もしも地中海熱と診断された場合は、

この先コルヒチンを一生飲み続けなければいけません。

 

 

炎症発作を繰り返すことによってアミロイドというたんぱく質が生じ、

それが腎臓にくっついて、将来腎不全になる恐れがあります。

 

コルヒチンは炎症発作も将来的なアミロイドーシスも防いでくれます。

 

量に気を付けながら、まずは一ヵ月コルヒチンを飲みましょう。

 

地中海熱は、日本ではあまり症例が無いため、詳しい先生が少ないのです。

 

日本だと、京都大学と信州大学に研究されている先生がいますが、

まさかそこまで通う訳にもいかないので、

遺伝子検査の結果はどちらかの先生に診断を仰ぎたいと思います。

 

 

ところで申し訳ありませんが、僕は普段○○の方の大学病院にいますから、

これからはそっちに通ってもらうようになりますが、いいですか?」

 

 

 

またですか…。

 

コルヒチンを飲ませる苦悩

 

私は、コルヒチンのことが何より気がかりでした。

副作用のきつい薬を1ヵ月も飲み続けるなんて。

 

しかし素人の判断でどうこうできるものでもなく、

これを飲まなくては診断もつかないのだからと自分を納得させました。

 

青く小さな錠剤を、1日1錠その日から飲み始めました。

 

飲み始めて4日目、夜中に息子が飛び起きてトイレへ駆け込みました。

どうやら嘔吐したようです。

 

それから、お腹が痛いと言い出しました。

 

次の日薬を飲むのを止め、私は病院へ電話をしました。

すると先生は、薬を半錠に減らしてくださいとおっしゃいました。

 

胃腸炎のような症状も2日ほどで治まり、

薬を半錠にして再開すると副作用も出ないのでした。

 

待ちに待った遺伝子検査

 

そろそろ熱が出る頃かな?

 

私の予想に反して熱は出ませんでした。

コルヒチンが効いているということか。

 

複雑な気持ちになりましたが、

偶然かもしれないしまだ遺伝子検査をしてみないことにはわからない…。

 

1か月後、やっと遺伝子検査の日がやってきました。

 

 

普通、遺伝子検査には7万円ほどの費用がかかるそうです。

 

しかし地中海熱は研究途中にあります。

検査結果を今後の研究に使わせてくれるなら、費用はかからないとのことでした。

 

 

そのための同意書にもサインをし、いよいよ主人と私と息子の採血がおこなわれました。

血液は研究機関に送られ、結果がわかるのはまた1か月後です。

 

 

あれから発熱は一度もありません。

どうか地中海熱じゃありませんように…。

 

遺伝子検査の結果

 

結果は、息子のMEFV遺伝子の一つに変異がみられたとのことでした。

 

息子の発症には主人も私も地中海熱のキャリアーであることが条件になりますが、

私は片親から受け継いでいて、なんと主人は両親から受け継いでいるらしく、

 

先生に「旦那さんは発症していませんか?」と聞かれました。

 

 

主人が熱を出すのはインフルエンザの時くらいです。

運よく発症しなかったんでしょうね。

 

 

それにしてもなんという運のめぐり合わせでしょうか。

 

「ある意味運命的な出会いだね。」

 

と主人が言いました。

 

典型例、非典型例

 

地中海熱には典型例と非典型例があります。

 

典型例とは地中海熱の典型的な症状がみられるものです。

 

MEFV遺伝子は10個のエクソンで構成されています。

 

地中海熱は、このうち

 

exon10(M694V、V726A、M694I、M680I)と

exon2(E148Q)

 

に74%で異変が見られます。

 

近年、遺伝子解析の向上とともに非典型例の存在が分かってきました。

 

発熱が何日も続いたり、腹膜炎、胸膜炎が伴わなかったり、

下肢だけにとどまらず上肢にも関節炎がみられたりします。

 

 

そして2015年より難病新制度にて

「exon10に変異がみられる場合に限り地中海熱とする」と定められました。

 

 

息子はexon2(E148Q)に異変が認められたために、

事実上は非典型例の地中海熱ということです。

 

 

しかし、研究が進んでいるとはいえ、

地中海熱については疾患特有の原因遺伝子が解明されていません。

 

 

まだまだ研究段階なのです。

 

 

コルヒチンの効き具合や遺伝子検査の結果、

息子には家族性地中海熱の診断が下されましたが、

 

難病指定は受けれれないというなんとも宙ぶらりんな状態です。

 

一生コルヒチンを飲み、定期的に病院へ通って血液検査をしなくてはいけないのに。

 

 

今はまだ11歳の息子。

 

典型例、非典型例に限らず地中海熱は「小児慢性特定疾病」の対象になりますが、

息子が成人を迎えた時、その負担は大きいものとなるでしょう。

 

 

この先地中海熱の研究も進み、非典型例も補助の対象となることを願っています。

 

息子と私の今

 

あれから1年が過ぎました。

 

コルヒチンを飲み始めてから1度も熱を出していません。

2ヵ月に1回通院して、血液検査と問診をします。

 

たまに薬を飲み忘れることもありますが、今のところ問題は無さそうです。

 

 

普段の生活も、何一つ制限されることはありません。

薬の副作用も出ていません。

 

 

未だにコルヒチンに対しては色々と思うところがあります。

 

 

胃腸に出る副作用だけじゃなく、脱毛、味覚障害、生殖器障害など

様々な副作用が報告されています。

 

 

もともと痛風に使われていたのですが、副作用が強いために、

最近では処方される頻度も少ないようです。

 

 

効き目が凄い分、副作用も強いのですね。

 

幸いなことに息子は体の大きさにしては少ない量のコルヒチンで効いていますが、

毎日一生飲み続けるとなると、やはり何かしら影響があるのではないか、

 

と思ってしまいます。

そのため、定期的な血液検査が大切となってくる訳です。

 

この先も、様子を見ながら先生と話し合っていこうと思います。

 

薬による作用が副作用を上回るからこそ、飲まなくてはいけないのですね。

 

できることをしっかりやる

 

現実は受け止めるしかありませんから、悩んでいるよりも、

それに対応していくことを考えようと思いました。

 

今できる一番大切なこと。

 

 

それは薬を飲むことです。

 

 

治ることのない病気だからこそ、上手く付き合っていくしかないのです。

 

できることをやっていこうと思います。

 

 

まとめ

 

家族性地中海熱とは、

定期的な発熱、それに伴う腹痛や胸痛、関節の腫れなどを起こす遺伝性の病気です。

 

 

発熱、腹膜炎、胸膜炎、関節炎などの炎症発作が定期的に発症します。

 

 

炎症を抑えるたんぱく質を作る働きのあるMEFV遺伝子の異常が関連しており、

適切に炎症を抑えることができなくなるのが原因とされています。

 

 

治療法としては、コルヒチンを飲んで炎症を抑えることが主になります。

 

もしも家族性地中海熱と診断されてしまったら、

一生コルヒチンを飲み続けなければいけません。

 

副作用が心配ですが、体に合った量を飲むことで、

副作用はそれほど心配ないと言えます。

 

それよりも炎症を抑えて

将来アミロイドーシスによる腎不全を防ぐことが何より重要です。

 

 

 

 

ちなみに我が家の保険はこんな感じです。

家族の保険。親2人子2人、我が家の場合。

そしてすくすく育ち、彼女もできました

息子に彼女ができた⁉そんな時あなたはどうする?

 

 

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